昨日、ジョー・ボナマッサの機材紹介をブログに書いたところ、MXR FET Driverについてもっと詳しく教えてくれ〜というDMをいただきました。
このMXR FET Driverですが、まだ開発中(2013/6/7時点)とのことで、Joe Bonamassaのギターテックは「近いうちに発売になる」とビデオで言ってますが、詳細は分かっていません。そこで、現在分かる範囲で、予想も交えながら、このFET Driverについて書いてみたいと思います。
MXR FET Driverはその名の通り、オペアンプICを使わず、FETを使ったいわゆるディスクリート回路により増幅させて真空管に近いニュアンスの歪みを作るエフェクターと想像されます。MXRは常にその名の通りのネーミングを付けるので間違いないでしょう。(その点、エレハモはネーミングから音は想像しがたいですね。それがエレハモの楽しいところだし、先入観を与えない素晴らしい方法ですが。)
<MXR FET Driverのコントロール部>
ノブは4つ: 左からLevel、Hi、Lo、Drive
中央にボタンが1つ: Hi Cut
おそらくFETを使ったプリアンプに近く、歪みとして使えるよう増幅段を調整しているのでは、と想像しています。
Hi CutはハイカットフィルターのON/OFFもしくはフィルターコンデンサの定数を切り替えるボタンだと思います。EQも1トーンではなく、HiとLoの2つで、音作りを意識したプリアンプのような歪みを狙っていると思います。
CamuroでもFETを使ったディスクリートのVagabond Preampというプリアンプを出しています。こちらは歪みより音作り優先で、かつベースや箱物(エレアコ、セミアコ、フルアコ)の仕様も考えローカットを重視しています。ですので、回路は似ていても狙いが反対なのかと思いました。
このエフェクターの開発にかかわっているミュージシャンはジョー以外にも多数いるようです。
ジョーだけが、「Joe Bonamassa」とケースに名前の入ったモデルを持っているので、彼のシグネチャーモデルが出ることは間違い無いと思います。
————-<余談コーナー>————–
最近のMXRのエフェクターにはモード切替にトグルスイッチではなく、ボタン+LEDを付けたものが多いですね。
MXR側の事情は知りませんが、Camuroでエフェクターの改造依頼を受ける時や特別仕様のエフェクター製作をする際に課題となるのは、このトグルスイッチ。見た目以上にケース下では場所を取るので、トグルスイッチを沢山付けると、レイアウトが大変になるんです。しかも配線も複雑になるし。
MXRの場合(というか最近の量産メーカや有名ブティックメーカーもですが)、ジャックやスイッチ類を配線ではなく基板直付けにして、部品点数と工数を減らしスペースを有効に使う傾向にあるので、ボタンというのは便利な方法かもしれません。(しかし、ボタンを押すことで回路を切り替えたり、LEDを点灯させる回路が必要になります)